東京顕微鏡専門歯科医院 Advanced Care Denta Office
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「白血病治療と口腔有害事象」 34%
•急性リンパ性白血病が34%の中の75%を占める
2~5歳が好発年齢
発熱•骨痛•肝脾腫•中枢神経症状など
出血傾向(萌出期の乳歯歯肉出血から判明することがある)や頸部リンパ節腫脹、原因不明の歯肉感染など、口腔症状からわかることも多い
B細胞かT細胞か、遺伝子診断など、リスク因子をみて治療強度を決める
緩解導入療法(最初の治療)のKeyDrugの中でアントラサイクリン系のドキソルビシン(DXR)、地固め(強化療法)や維持療法(2~3年)でのメソトレキサート(MTX)は副作用として口内炎を発症することがある
以前地固めには全身放射線が行われていたが、現在は化学療法
•急性骨髄性白血病(AML)は、0~2歳が好発。緩解導入療法無効なので、造血幹細胞移植を行う
「脳腫瘍治療と口腔有害事象」 19%
•小児悪性腫瘍の頻度では2位だが、死亡原因では第1位
•髄芽腫は小児期の代表的な悪性腫瘍
好発年齢は5~9歳
3歳以下で手術後残存1,5㎤以上、髄液播種ありは高リスク群
標準リスク群の標準治療は術後後頭蓋55,8Gy+全脳全脊髄23,4Gyの放射線照射(照射線量40Gyで泡沫状唾液、唾液分泌量減少、口腔乾燥が生じる。照射線量60Gyで経口摂取困難となる)5年生存率86%
基本的には手術後残存1,5㎤未満になるまで手術で摘出
3歳以下には放射線晩発障害が極めて重篤であり適応外、発達遅延などの脳障害が生じる
•中枢神経悪性リンパ腫
CHOP療法@国立がん研究センターはCPA(シクロフォスファミド)とDXR(ドキソルビシン)が血液脳関門を通過しないので無効。基本は、高容量MTX+全脳照射。口腔有害事象出現のリスク
高次脳障害が問題
「神経芽腫治療と口腔有害事象」 14%
小児固形腫瘍で最も多い。年間200~250人発症の希少がん、体のあらゆる部位で発症
臨床病期と遺伝子診断で低リスク、中間リスク、高リスクに分類
低リスク群では、手術で取りきれればOK、残存しても化学療法
高リスク群は術前化学療法でCPA(シクロフォスファミド)+CDDP(シスプラチン)+IFM(イホサミド)+VP16(エトポシド)で縮小をはかり、手術、造血幹細胞移植後に大量化学療法
無病生存率(再発なし)は50%、予後が悪い
「悪性リンパ腫治療と口腔有害事象」 7%
小児の特徴は病理多様性が少なく、ホジキン病と非ホジキン型リンパ腫に分類される
腹部症状(腸重積)で発見されることがある
•ホジキン病はABVD療法4コース+領域放射線療法
•非ホジキンリンパ腫 化学療法で70~90%寛解
びまん性大細胞型リンパ腫(DLBCL)(10~20%) DLBCLに対して行われるR-CHOP療法は口内炎が出やすいレジメン(抗がん剤の組み合わせで治療する薬のレシピ)の一つ
「網膜芽腫治療と口腔有害事象」 5%
•RB(Retinoblastma)と呼ばれる 年間70人程度の希少がん
1歳までに発見される(眼球突出や斜視など)
視力保存のため、放射線治療が行われてきたが2次癌と顔面発育の障害で多剤併用化学療法が行われるようになった
「腎芽腫治療と口腔有害事象」
•Wilms腫瘍(WT)呼ばれ、小児腎悪性腫瘍の9割を占める
骨骼系合併奇形があり、巨舌で発見されることもある
外科切除+化学療法が主体
進行例にはDXR(ドキソルビシン)を追加したレジメンを使用する
「口腔問題を起こす治療」
•永久歯の生える前の化学療法(患者が5歳未満)
•放射線治療
全脳照射(脳腫瘍、予防的)
全脳全脊髄照射(脳腫瘍、予防的)
上•中咽頭(悪性リンパ腫)
眼窩(神経芽腫、網膜芽腫、悪性リンパ腫)
頸部(悪性リンパ腫)
マントル照射(頸部、腋下、肺門、縦隔、悪性リンパ腫)
全身照射(TBI:Total Body Irradiation、骨髄移植、白血病)
「化学放射線治療で起こりえる口腔問題」
•化学療法
歯のう蝕
歯根短縮、エナメル形成不全
歯の欠損
口腔粘膜炎
•放射線治療(上記に加え)
矮小歯
歯の早期脱落、乳歯の晩期残存
知覚過敏
開口障害など機能障害
不正咬合、顎発育不全(0~1歳)現在は化学療法のみ
口腔乾燥症
味覚障害
歯周炎(易感染性)
「対処法」
•成人に同じ「口腔ケア」「粘膜ケア」
•フッ素塗布
•丁寧なブラッシング
•食習慣の徹底
•かかりつけ歯科医の定期検診(できれば顎発育もみれるところ)
•2次癌は骨腫瘍、乳がん、甲状腺がん
•長期予後は30年で80%が亡くなってしまう
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