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唾液は、左右両側に存在する3大唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)と、舌や口腔粘膜に散在する小唾液腺(頬腺、口唇腺など)から分泌されます。唾液腺細胞には漿液細胞と粘液細胞があり、耳下腺は漿液細胞が多い漿液腺で、顎下腺と舌下腺は両細胞を含む混合腺です。1日に分泌される唾液量は約1.0~1.5リットルとされ、安静時は減少し、摂食時には増加します。唾液の分泌速度には日内変動があり、昼間が最も速く、睡眠中はほとんど分泌されません。したがって、就寝前の飲食と口腔清掃不良は、プラークの蓄積を引き起こし、う蝕や歯周病の発生好都合な状態となります。
唾液は、99.5%の水分と0.5%の無機、および有機成分から構成されています。唾液中の主な無機成分としては、カリウム、ナトリウム、カルシウム、塩素、重炭酸塩、無機リン酸、などが挙げられます。中でも、カルシウムイオンとリン酸イオンはヒドロキシアピタイトに対し、過飽和の状態にあり、フッ化物イオンと共にエナメル質の脱灰防止や再石灰化に深く関わっています。また、重炭酸塩は緩衝作用といい、お口の中のpHを一定に保つ作用に関わっています。唾液の中でも有機成分には、糖タンパク(保護作用)、酵素(消化作用)、免疫抗体(抗菌作用)など多様な生理活性を示す成分が含まれ、様々な唾液の機能と密接に関わっています。
唾液は、食物として摂取した米やパンの主成分であるデンプンの消化や咀嚼、嚥下、発音を円滑にする作用などのほか、う蝕や歯周疾患の発症や進行を抑制する作用があります。う蝕は歯のペリクル表面にプラークが形成され、プラーク中のう蝕原性菌が産生する酸が歯に長時間作用してエナメル質脱灰が起こることから始まります。唾液は、この過程において抑制的に作用します。唾液にはプラーク中に産生しれた酸を物理的に洗浄する作用の他に、酸によって低下したプラークのpHを唾液のpHまで上昇させようとする作用があります。この作用を緩衝作用のいい、主に唾液中の重炭酸塩がその役割を担っています。エナメル質の一部が脱灰されたとしても、その領域がきわめて狭い範囲の初期う蝕病変の場合には、唾液の成分によって再石灰化されます。このとき、フッ化物イオンが存在すると再石灰化はさらに促進されます。また、唾液には細菌やウイルスを凝集させて歯面に定着するのを阻止する働きがあります。歯周病菌の増殖抑制作用、殺菌作用および、粘膜への定着阻止作用があります。ペルオキシターゼやラクトフェリンは細菌の増殖を抑制し、リゾチームは殺菌するといわれています。また免疫グロブリンのsIgAやヒスタチンは細菌の歯肉上皮への定着を阻止します。
唾液がたくさんあるということは、常にお口の中が清潔であり全身を守る能力が強いということに繋がります。
口腔乾燥症(ドライマウス)は、安静時唾液の減少によって起こり、口腔乾燥や舌が乾燥する状態をいいます。自覚症状としては、口腔乾燥感、口腔粘膜の痛み、咀嚼嚥下障害、味覚障害などがあります。唾液分泌の低下は、シェーグレン症候群やホルモン・代謝系の異常(糖尿病、甲状腺機能障害等)などの全身状態に起因する場合の他に、口呼吸、摂取水分量不足、喫煙、コーヒーや紅茶(含カフェイン)の過剰摂取、薬剤の副作用やストレスなどが原因で起こります。薬剤の副作用としては、降圧剤、利尿剤、および向精神薬などの服用が指摘されています。この他にも唾液分泌が低下する副作用のある薬剤は多くあります。
唾液分泌の低下に伴う口腔乾燥症の治療法の基本は、原因を把握して改善することです。原因が服用薬剤や口呼吸など明らかな場合は原因療法が行われます。一方、原因が生活習慣や全身状態と関連している場合は治療期間が長くなるため、改善されるまでは症状の軽減を目的とした対症療法が行われます。
口腔を通して心と体の健康を一生涯に渡ってお守りします。
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