東京顕微鏡専門歯科医院 Advanced Care Denta Office

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東京脳神経内分泌栄養咬合摂食嚥下
口腔リハビリテーション研究会

東京顕微鏡専門歯科衛生士YU

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摂食・嚥下リハビリテーションの歴史

摂食・嚥下歯科衛生士

摂食・嚥下リハビリテーション分野の歴史について。1987年「食べる機能の障害」その考え方とリハビリテーション 金子芳洋先生、向井美恵先生、尾本和彦先生 著 日本で初めて摂食・嚥下リハビリテーション分野の本が出版された。摂食・嚥下リハビリテーション分野の研究と臨床の発展のために根本の理念を認識し、木を見て森を見ずにならないよう協力していくことが必要でしょう。(金子芳洋先生)つまり、全体、全身をみるということ。

医学の分類 第一の医学 治療の医学 第二の医学 予防の医学 第三の医学 障害の医学→リハビリテーション医学

リハビリテーション医学の理念
1機能障害(麻痺)→治療的(訓練的)アプローチ
2活動制限(能力低下)→代償的アプローチ(治らない、第三の医学)
3参加制約(社会的不利)→環境改善的 アプローチ(障害の軽度、重度が決まる)
4心理的障害→心理的支援(治らないこともあるからこその医療)

摂食・嚥下リハビリテーション
1機能 治療的・訓練的アプローチ、間接訓練・直接訓練
2能力 代償的アプローチ(経管栄養、姿勢や食物性状の工夫)
3環境面 環境改善的アプローチ(介護力の導入、社会的資源、物的改善)
4心理面 心理的支援

脳卒中で入院した患者さんは、急性期、亜急性期、回復期、維持期を経て最終的に摂食・嚥下障害、摂食機能障害としてのこるのは、飲み込めないではなく、大半は口から食べているが思うように上手く食べれないということ。これが本質である。

維持期の脳卒中患者のうち誤嚥があるのは7.4%。つまり誤嚥は回復と共にほおっておいても治ることがほとんど。維持期の患者さんが訴えていることは

1片側のみで噛んでいる

2口から食事や唾液をこぼす

3食事を丸呑みしている

4味噌汁や水によくむせる

5麻痺側口腔前庭に食物がたまる

6麻痺側の頬をよく噛んでしまう

7顔がしびれて食べ物の味がしない

8口が渇いて噛みづらい、飲み込みづらい

口の中の専門医は歯科医、歯科衛生士だけである。人のからだに触れるとき、いきなり口に指を入れる職業は歯科だけ。これは歯科の特異性である。ナースはオムツ交換する教育があるが、歯科にはない。逆にナースの教育に口腔内の清掃はない。口を開けてもらってライトを照らす教育があるのは歯科だけ。他の職種にはない。歯科は健康なうちから見ている唯一の職業。歯科だけ歯科にしかできないリハビリがある。歯科は健康医学の見地を持てば最も動機付けできる立場にある。

介護予防・生活支援サービス事業対象者基本チェックリストのうち口腔機能の向上に関する問診項目が3つある

1半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか→咀嚼機能評価
2お茶や汁等でむせることがありますか→嚥下機能評価
3口の渇きが気になりますか→肺炎リスク評価
これらにチェックが入ると口の機能が黄色信号になっている

診療室で実施可能な摂食機能評価
1オーラルディアドコキネシス
2反復唾液嚥下テスト
3舌圧測定
4咀嚼能力検査(グルコセンサー、グミを用いた唾液の中の糖分を測定)
などがあります。当院でも摂食機能評価検査を行っています。

要介護564万人、このうち要介護5は胃ろうや禁食。要介護1~4は口から食べている。つまり食事介助で悩んでいる。維持期において、摂食嚥下の5期のうち、準備期、口腔期といった口腔相の問題がほとんどである。歯科医療従事者は歯科治療、口腔内衛生の延長戦上に摂食嚥下機能訓練を導入していくべき。歯科にしかできない。

口腔ケアの究極の目的は「快適性の追求」いかに生きるかの生活。日々苦痛なく、楽しく過ごせるよう支援していくこと。病院は死なせない。経管栄養や何をしてもとにかく死なせない。しかし、ただ生きていればいいわけでない。健康とは「感じること」生きる本質を知り、最後まで楽しい、嬉しい、感じることができる、これこそが健康といえる。

人の生きる本質を考え、患者さん診れる、そのような歯科衛生士が医療界にもっと必要だと思う。

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