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運動学習と失行

運動学習は「訓練や練習を通じて獲得される運動行動の変化であり、状況に適した感覚・運動系の協調性(coordination)が向上して行く過程であり、行動面からは運動技能の獲得(motor skill acquisition)とみなされる。また運動学習は、精神運動学習あるいは,知覚・運動学習あるいは,感覚・運動学習ともよばれる」

 

スキルを獲得したらいつでもどこでも発揮できる。獲得するには1万時間かかるといわれている。

 

熟練の技を身につけるのは運動を学習するということ

 

運動学習と失行

 

 

【学習の分類】

「非連合的学習」…単一の刺激にさらされておこる(だんだん慣れていくこと)

 

・習慣化 habitation 無害な刺激に対して反応が減少する

例)電車の音、衣服の触覚への無反応

 

・増感 sensitization 有害な刺激を伴う過剰反応を示す
例)注射のときの子供

 

「連合的学習」(実験手段の枠組み)

 

・古典的条件付け 例)パブロフの犬
・オペラント条件付け 報酬ベース「連合学習獲得した知識タイプによる分類」

・手続き的記憶(技能の記憶)
例)書く、箸、ピアノ、舌の位置、嚥下のスキル、リバーススワロー

 

・宣言的記憶(事象の記憶)個人経験に関する特別なもの
例)一度で覚えられる、交通違反で捕まったなど

 

【学習に伴う中枢神経の変化】

1ダイナミックな変化(反響回路説)
反響回路とは,ある事を学習した後では,そのことをしていないときでもこの回路は活性化されていて,常にインパルスが流れているという考え方で,上位から指令が来たときには直ちに反応してそのことを実行できる状態にしておくというものである.例えば,我々は自転車に乗る事に充分習熟した後,5年あるいは10年乗らないでいても,ある日乗ってみると乗ることが出来るが,これはその間ずっと自転車に乗るという反響回路が活動を続けていたためと考えられている。

 

2形態的な変化
可塑的な変化に関係する長期学習。
頻繁な使用によりインパルス放電を増強する。やれば肥大する。

 

記憶痕跡の回路:エングラム

一度ついたくせは治りにくい。つまり一旦エングラムが出来上がると一つの動作に関して別の回路を使うことが困難になる。

1 運動イメージ
2 結果のフィードバック
3 ブロック学習とランダム学習
4 観察による学習

 

運動イメージ

もの、景色、感覚をあたかも現実のように視角化、あるいは認知的に再現すること。例えば、ゴルフスウィングやテニスのストローク
をメンタルイメージすること。

 

結果のフィードバック

結果をどのように伝えるのが学習に効果的か?

1 「頻度」 フィードバックは50%が良い。フィードバックが少ないと 能動的思考ができるため

2 「帯域」 ズレすぎても良くない。厳しい間違いを指摘するよりも幅を持たせるのが効果的

3 「遅延」 動作後8秒後の結果を伝えるのが良い。結果を推測するのが良い

 

【課題のオーダー・観察による学習】

1課題のオーダー
課題をひとつを続けるブロック学習より、3つの課題をランダムに続けるランダム学習の方が長期記憶では結果が良い

 

2観察による学習
ダーツの実験。他者の動作を予測できるように学習してしまうと(シンクロ)、脳内プロセスが変化した事で、自分の動作に影響する。自分より下手な人を観察しても上手くならない。自分より上手い人を観察してシンクロするのが上達への近道。

 

【失行(高次脳機能障害)】

運動可能なのにも関わらず、合目的な運動が出来ない状態。着衣失行、構成失行(パズルができない)

 

観念運動失行…無意識の日常の流れの中では使えるのに意図を持ってマネしようとするとできない

観念失行…物の名前、使い道、用途はわかるが順序がわからなくなる(お茶の入れ方がわからないなど)

 

「左頭頂部損傷の可能性」(BA39.40ウェルニッケ)初期症状として「肢節運動失行」がある。