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中枢神経系の疾患

大脳、中脳、橋、延髄、脊髄および小脳からなる中枢神経は、軟膜、くも膜、硬膜、頭蓋骨に覆われ保護されています。軟膜、くも膜、硬膜を総称して髄膜といいます。中枢神経の疾患では、ある部分に病変ができると、それに伴った特定の症状を呈する事があるのも特徴です。例えば、大脳皮質で言語を司る領域(ブローカー野、ウェルニッケ野)がおかされると失語症になります。中枢神経系の疾患も腫瘍、血管障害、感染症、変性疾患、外傷など病変の成り立ちにそって分類していきます。

 

中枢神経系の腫瘍

中枢神経系(脳)の実質は神経細胞と神経細胞の活動や脳の構造を保持する膠細胞という細胞からなります。中枢神経系の実質の腫瘍は膠細胞を母地として発生する「神経膠腫」と呼ばれるものが多い。神経膠腫もきわめて悪性度の高い「膠芽腫」から比較的悪性度の低い「毛様細胞性星細胞腫瘍」とよばれるものまでさまざまあります。これらはGrade1からGrade4まで、4段階に分類し、診断されます。中枢神経そのものではなく、髄膜からも腫瘍は発生し、髄膜種といいます。髄膜種もしばしばみられる腫瘍です。高齢者ではリンパ腫が中枢神経に発生するほか、肺癌や乳ガンなど他の部位に発生した癌の転移も比較的よくみられます。

 

中枢神経系の血管障害

1)脳出血

脳出血は脳の表面を走行する動脈が破裂するくも膜下出血と、脳内に入り込む動脈が破れ脳実質内に出血をきたす脳内出血があります。くも膜下出血はもともと存在する脳動脈瘤が破裂して起こる事が多い。脳ドックの普及で脳の画像検査により破裂の危険性のある動脈瘤が見つかる事があります。こうした動脈瘤では、くも膜下出血を予防する目的でクリッピング術などによってあらかじめ治療されることがあります。一方、脳出血は高血圧を素地として発生します。

2)脳梗塞

脳の動脈が閉塞するとその動脈が支配する脳の領域が梗塞におちいります。こうした動脈の梗塞は、その場所の動脈硬化が進行して動脈の内圧が極端に狭くなることや、頸動脈や椎骨動脈でもろくなった動脈の内壁からちぎれた組織や内壁に付着していた血栓が末梢の脳の動脈に詰まることなどで生じます。また、心房細動で心房内に血栓ができたりすると、血栓が血流の乗って運ばれ、脳の動脈につまって脳梗塞を生じることがあります。

 

中枢神経系の感染症

1)細菌感染症

肺炎球菌、髄膜炎菌、などによる細菌性髄膜炎が代表的です。髄膜炎は主に軟膜に好中球を主体とする化膿性炎症が細菌感染に伴って生じ、発熱、頭痛、意識障害などをきたします。

2)ウイルス感染症

ヘルペスウイルスによる急性脳炎が代表的であり、脳実質の出血、壊死などをきたします。

 

中枢神経系の変性疾患

中枢神経系の神経細胞が脱落する疾患です.神経細胞が脱落した部位は神経膠細胞の増加したグリオーシスという組織像がみられます。代表的な変性疾患である運動ニューロン疾患(筋萎縮性側索硬化症)では、骨格筋の運動に関わる部位の神経細胞が脱落することから、筋力の低下が起こります。同じく変性疾患であるパーキンソン病では、中脳黒質や青斑核の神経細胞が脱落し、顔の表情が乏しくなったり、体の運動のなめらかさが失われます.アルツハイマー病も変性疾患であり、大脳皮質の神経細胞が広汎に失われ、認知症と呈します。

 

中枢神経系の外傷

1)硬膜外出血

頭部に衝撃を受けると、頭蓋骨に骨折をきたすことがあります。それに伴って、頭蓋骨と硬膜の間の血管が断裂し出血を起こします。これを硬膜外出血といい、血液が貯留し凝固した状態を硬膜外血腫といいます。

 

2)硬膜下出血

硬膜に包まれた脳が衝撃に伴って異常に動き、硬膜と脳の間に存在する血管が破裂し、出血することがあります。これを硬膜下出血をいいます。硬膜下血腫の中には比較的軽い外傷で生じ、ゆっくりと血腫が形成されて認知症のような症状を起こすものもあります。こうした硬膜下血腫は慢性硬膜下血腫とよばれ、高齢者にみられます。

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