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口腔細菌と全身疾患

「お口の中の細菌と誤嚥性肺炎」

 お口から肺に入り込んだ細菌がそこで増殖し肺炎を引き起こす場合があります。特にお年寄りは誤嚥性肺炎にかかる危険性が高くなります。

私たちが物を飲み込む時、咽頭蓋という蓋が気管に食物が入るのを防いでいます。しかし、年齢とともに体の反射が低下するため、気付かないうちに飲み込んだものが気管から肺に流れ込むことがあります。これは、眠っているときなどに起こりやすいと言われています。

加えて、気管支の働きや体を守る力も弱くなるため、肺炎にかかる危険性が高まります。プラークコントロールが誤嚥性肺炎の防止に有効だと言えます。

 

「お口の細菌と心血管系疾患」

 近年、歯周病の程度と心血管系疾患の病気との間に関連があることが報告されているということです。これまでは、動脈硬化や冠動脈の疾患は、高血圧・血中コレステロールの上昇・喫煙などから引き起こされていると考えられていました。しかし、これらの危険因子は無関係な人でも発症することから、何か別の因子の存在が予想されていました。その一つとして、微生物の感染がクローズアップされてきたそうです。肺炎クラミジアによる肺炎後、血流を通って血管壁に感染したクラミジアを追い出そうとする体の防御の過程が動脈硬化を起こすと言った仮説です。

このメカニズムによれば、歯周病原菌も血液中に入り込むことによって動脈硬化症の原因となりえるそうです。実際、アテローム性動脈硬化症の患者さんの病巣から歯周病原菌が検出されているそうです。

 

「お口の中の細菌と細菌性心内膜炎」

歯周ポケット内で増えた細菌は、歯肉から血液中に入り全身に広がることがありますが、ほとんどの場合、体の防禦システムによってすぐ排除されてしまいます。しかし、心臓の弁に障害がある人、人工弁を入れている人では、弁のまわりの血液の流れがスムーズではなく、滞っています。この部分では、細菌が体の防御システムから逃れ、心臓の内膜に住み着いて増殖してしまいます。この菌によって心内膜が炎症を起こし、心内膜炎を引き起こすそうです。

口腔細菌で心内膜炎を起こす菌として、プラークの中にある細菌が報告されています。

 

「お口の細菌と糖尿病」

ブラッシングが不十分だと歯肉溝中で歯周病菌が増え、歯周病が起こります。歯周病原菌が増えると、それに伴って菌の成分が血液中に流れ込みます。流れ込んだ成分は生体の細胞を刺激していろいろな活性物質を作らせます。このことが全身にいろいろな効果を及ぼします。その活性物質の一つ、TNF aという物質は糖尿病にも関わっていると考えられています。

血液中の糖の濃度をコントロールしているホルモンをインシュリンと言います。糖尿病はこのインシュリンによる血糖のコントロールがおかしくなる病気で、インシュリンの産生が低下している場合と、細胞がインシュリンの対して反応しづらくなる場合とがあります。最近の研究では、細胞がインシュリンに反応して血流中の糖を細胞内に取り込み、血糖値を下げる反応を、血中のTNF aが阻害することがわかってきたそうです。このため、インシュリンに対して反応しずらくなっているタイプの糖尿病では、治療により歯周炎がおさまると血中TNF aが減少し、血糖値が安定しやすくなることが示されています。

 

「お口の中の細菌と低体重児出産」

低体重児出産をした女性のお口の中では、歯周ポケット内に歯周病原菌が多くなっていることが示されています。口の中で増えて血液中に流れ込んだ菌の成分は、体に作用していろいろな効果をおよぼします。低体重児出産もその作用の一つと考えられています。

歯周病原菌の成分として内毒素があります。内毒素は体を防御する細胞を刺激し、種々の活性物質を誘導し、発熱を引き起こしたり、歯を支える骨を溶かしたりします。これらの活性物質のうちTNF a等が歯周炎により増加し、早産を引き起こすと考えられているそうです。